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大阪高等裁判所 昭和63年(ラ)527号 決定 1988年11月10日

抗告人 原秋夫

事件本人 原早苗 外2名

主文

本件抗告を棄却する。

理由

一  本件抗告の趣旨及び理由は別紙即時抗告申立書記載のとおりである。

二  当裁判所の判断

当裁判所も、抗告人の本件特別養子縁組の申立は理由がなくこれを却下すべきであると判断する。その理由は、次に補正・付加するほかは原審判理由の説示と同一であるから、これをここに引用する。

1  原審判2枚目表3行目の「再会した」を「再会し性関係をもつた」と改め、同末行の「そのような事情で」の次に「父はその後」と挿入する。

2  同枚目裏10行目の「婚姻も」から同13行目の「承諾している。」までの全文を次のとおり改める。

「また、前示した離婚の経緯及び再会等の事情から、父は事件本人が自分の子であることに疑問をもつているので同人に対する関心は少なく、本件特別養子縁組についてはこれを承諾している。」

3  同3枚目表7行目の次行に改行のうえ次のとおり付加する。

「抗告人は、当審において、特別養子縁組を成立させることによる子の福祉を詳細に主張する。しかしながら、本件においては前に認定・説示したように、民法817条の7の『父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合』に該らないのであるから、抗告人の右主張は採用に由ないところである。」

よつて、右と結論を同じくする原審判は相当であり、抗告人の本件抗告は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 大和勇美 裁判官 久末洋三 稲田龍樹)

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